老け込むには早すぎる。
最近、誰かのために涙を流したことがあるか。心から笑ったことがあるか。命と向き合ったことがあるか、そんな大人が増えている。
原因は年齢じゃない。
“心を動かす神経が眠っているんだ”
動物愛護センターで犬を迎えることは、ただペットを飼うことじゃない。

一つの命を救う、新しい家族を迎える、毎日に笑顔が増える、人生に温もりが生まれる。つまり、「眠った優しさを呼び覚ます最高の出会い」だ。
マナと出会ったあの日から、何気ない毎日が特別な時間へ変わった。
家族が増える喜びは、人生を何倍も豊かにしてくれる。
老けるな、神経を止めるな。
人生はアフターファイブから始まる。
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動物愛護センター 仔犬との出会い
小さな仔犬が、車の中で震えていた。
「クンクン……。」
兄弟たちと離れたばかりの仔犬は、不安そうな瞳でイケオジ家族を見つめ、小さな声で鳴き続けていた。
何度もバックミラーを見た。

車中で不安そうな仔犬
「大丈夫。」
「今日から君は、家族だから。」
そう心の中で何度もつぶやいた。
しかし、この日の出来事は突然始まったわけではない。
イケオジと犬との物語は、三十年以上前、一匹の雑種犬との出会いから始まっていた。
イケオジが小学生だった頃の話である。
今では考えられないが、当時は放し飼いの犬をよく見かけた。
野犬なのか、飼い犬なのか分からない犬が、町を自由に歩き回っていた時代だった。
そんなある日、一匹の雑種犬がイケオジの通う小学校へ迷い込んできた。
ところが、その犬は校庭で五匹の子犬を産んだのである。
先生も児童も大騒ぎになった。
休み時間になると、みんなが子犬を見に集まる。

小さな命を囲みながら、学校中が優しい空気に包まれていた。
その五匹の中から、一匹のメス犬を我が家へ迎えることになった。
イケオジにとって、生まれて初めて家族になる犬だった。
「名前、どうする?」
父が尋ねてきた。
迷わなかった。
「リュウ!」
当時夢中になって見ていたテレビドラマ『炎の犬』。
主人公の犬の名前が「ラン」と「リュウ」だった。
「かっこいい!」
それだけが理由だった。
メス犬なのに「リュウ」。
子どもの時は、そんなことはまったく気にしていなかった。
家族は笑いながら、その名前を受け入れてくれた。
こうして、リュウは家族の一員になった。
リュウは、本当に穏やかな犬だった。
近所を散歩すると、誰からも声をかけられる。
「リュウ、おいで。」
近所のおばちゃんたちは、自分の家のおやつを持ってきてはリュウに食べさせていた。
今では考えられない光景だ。
犬にチョコレートやお菓子を与えてはいけない。
そんな知識も、当時はほとんど知られていなかった。
みんな悪気はない。
リュウが可愛かったからだ。
そんなリュウを誇らしく思っていた。
しかし、その時代には今とは違う現実もあった。
放し飼いが当たり前。
避妊や去勢という考え方も、ほとんど浸透していなかった。
ある日、リュウのお腹が少しずつ大きくなっていることに家族が気付いた。
妊娠だった。
一度目は五匹。
生まれた子犬たちを抱き上げながら、
二度目は四匹。
「みんな幸せになってほしい。」
そう願っていた。

リュウが出産した4匹の仔犬
しかし、現実は甘くなかった。
里親探しは簡単ではない。
父も母も、休日になると知り合いへ声を掛けて回った。
「誰か飼ってくれないだろうか。」
家族みんなで必死だった。
それでも、最後まで引き取り手が決まらない子犬もいた。
その後どうなったのか。
大人になった今でも両親へ聞くことができない。
その答えを知るのが怖いからだ。
やがてリュウは体調を崩した。
田舎には蚊が多く、犬のフィラリア予防という言葉も一般的ではなかった時代。
6年だった。
あまりにも早い別れだった。
泣いた。
どうして助けられなかったのだろう。
もっと長く一緒にいたかった。
その後悔は、大人になった今でも心の奥に残っている。
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そして、
「もし、もう一度犬を迎える日が来たら、今度こそ最後まで守り抜こう。」
十数年後、動物愛護センターで一匹の仔犬と出会うことにつながっていく。
その仔犬の名前は――マナ。

我が家に迎えた仔犬
イケオジ家族の、新しい物語が始まろうとしていた。
つづく
愛犬マナと遊ぼうはこちら
イケオジ アドバイス!
犬猫の殺処分
過去、犬猫の殺処分は深刻な問題でしたが、近年は改善の兆しが見られています。以下は、過去の犬猫の殺処分に関する一般的な傾向です。

2010年代までの日本では、年間で約20万匹以上の犬猫が殺処分されていました。過剰な繁殖や飼い主の放棄などが主な原因とされています。
特に春先になると、新学期や進学・就職のタイミングなどで多くのペットが捨てられることが問題となっていました。
しかし、近年は犬猫の殺処分を減らすために様々な取り組みが行われています。
動物愛護団体や保護施設による啓蒙活動や里親募集の拡大、避妊・去勢手術の普及、ペット飼育に関する法律の改正などが進められています。
これらの努力により、殺処分の数は徐々に減少しているとされています。
日本国内では地域ごとに状況が異なるため、最新のデータや詳細な情報を知りたい場合は、各地の動物愛護団体や保護施設、農林水産省などが公表している統計データを参照してください。
新しい技術の活用
マイクロチップやデジタル技術が、動物の識別や保護活動に活用されています。これによって迷子の動物の追跡や新しい飼い主の情報の管理が効率的に行えるようになっています。
具体的な例として以下の取り組みがあります。
マイクロチップの使用
多くの国や地域で、ペットの識別と迷子の減少を目指してマイクロチップの使用が普及しています。例えば、アメリカではほとんどの保護施設で迷子の動物にマイクロチップを挿入しており、飼い主の特定が容易になっています。
デジタルプラットフォームの利用
イギリスでは、ペットの情報をオンラインで管理するデータベースが存在し、警察や保護団体が迷子の動物を特定し、飼い主との再会を支援しています。
譲渡プラットフォーム
オーストラリアの一部の保護施設では、オンラインプラットフォームを利用して里親を見つける取り組みが行われています。動物の写真や特徴を掲載し、飼い主と新しい飼い主をつなぐ役割を果たしています。
アプリケーションの開発
アメリカの一部の動物保護団体は、飼い主が動物の健康情報やスケジュールを管理できるアプリケーションを提供しています。これによって動物のケアが効率的に行えるようになります。
GPSトラッキング
一部のペットにはGPSトラッキングデバイスを取り付けることができます。これによって飼い主はペットの位置をリアルタイムで把握し、迷子になった場合でも追跡することが可能です。
これらの取り組みは、新しい技術を駆使して動物の識別や保護活動を進化させる一環として行われています。デジタルツールの普及によって、動物たちの安全と福祉を向上させるための新たな可能性が広がっています。
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