水恐怖からの脱出:波にビビる犬、愛犬マナの挑戦と聞いてないよォのつづき
「マナちゃ~ん」
今日は愛犬マナを動物病院に連れてきています。
マナにとっては年1回のフィラリアの検査と狂犬病の注射の日です。正直なところ、すごく不安でもあるのです。
診察室に呼ばれ、マナは「オイッス!」と恐る恐る診察室の中に入っていきます。少し緊張している様子が見えますが、穏やかな笑顔で綺麗な女性獣医師が迎えてくれました。
しかし、マナは普段とは異なる雰囲気に反応し、凶暴な一面を見せ始めました。診察室に足を踏み入れるや否や、マナは咆哮し、歯を剥き出しにしてイケオジや獣医師に向かって「ムッシュムラムラ」と低い唸り声を上げます。
イケオジは必死でリードを引き、制御しようとしますが、マナはますます興奮。診察室は混乱の光景となり、周りのスタッフも手をこまねいてしまいます。
イケオジはマナが落ち着いたタイミングを見計らって、マナの口元に噛まれないようマスクを付けました。そして、診察台の上にマナを抱っこしてのせると、スタッフの方々も腕を防護するカバーを装着して戦闘態勢です。
すぐに女性獣医師がマナの体を調べ始めます。
暴れるマナをイケオジとスタッフの方3名で押さえつけます。女性獣医師はマナの検診を急いで進め、「マナちゃん、ちょっと大変ね。でも、すぐに終わるからね」と笑顔で言いながら、フィラリアの検査と狂犬病の注射を迅速に行います。
女性獣医師が手際よく検診を進める中でも、なおも威嚇的な態度をマナは崩しません。
マナを押さえつけているイケオジとスタッフの腕の筋力は、段々と限界に近づいてきました。
女性獣医師が「はい、終わりました」と言うと、
その瞬間、マナは高い診察台から急いで飛び降り、「殺す気か!」と絶叫します。
しばらくして、元の陽気なマナに戻り、「クルリンパ」と言いながらシッポを振りスタッフや女性獣医師に愛想ふりまきました。イケオジとスタッフは、なんとか乗り切ったことにホッと胸をなでおろしたのです。
待合室では、検診が終わって安心したのか、「オッケー牧場」と満足げに吠え、リラックスした表情のマナが見られました。周囲の飼い主たちは、その姿に微笑みながらも、「おまえはアホか」と愛犬の脳みそを心配する言葉が口にでていました。
帰り際、マナは待合室の犬猫たちに「がんばれよ」と声をかけましたが、その言葉に対して、「お前が頑張れよ」と言い返される始末。
フィラリアの薬をもらい、健康管理のアドバイスを受けた後、スタッフに「ありがとさ~ん」とお礼を言い病院を後にしました。
マナは少しずつ元気を取り戻し、イケオジを見つめながら「コマネチ」と叫び、帰り道を楽しんでいるようでした。
年1回の動物病院での注射ですが、来年もまた暴れだすマナを想像すると、イケオジは少々憂鬱になってしまうのでした。
イケオジ アドバイス!
フィラリアの検査
フィラリアの感染は初期症状がほとんどないため、検査が重要です。
早期に感染を発見することで、適切な治療が行われ、深刻な合併症を防ぐことができます。
1. フィラリアとは?
・フィラリアは、ヒトゾエシダニ(蚊)によって媒介され、犬、猫、フェレットなどの動物に感染する線虫寄生虫の総称です。種類には犬心線虫などがあります。
2. 感染経路とサイクル
・感染経路は蚊を介して行われます。感染した動物から吸血した蚊は、血中に含まれるフィラリアの微小幼虫を摂取し、その後、感染した蚊が別の動物に咬むことで感染が広がります。
・幼虫は感染した動物の心臓や大血管に寄生し、成虫になるとそこから微小な幼虫が血液中に放出されます。
3. 症状
・初期症状は軽度で、ほとんど目に見えません。感染が進行すると、呼吸器症状(咳や息切れ)、慢性の体力低下、食欲不振、体重減少などが現れることがあります。
・重度の感染では、心臓や肺が損傷され、最終的には致死的な状態に至ることがあります。
4. 予防
・フィラリア感染の予防には、定期的な予防薬が使用されます。これには月に1回の経口薬や、投与頻度が異なる注射などがあります。
・予防薬は幼虫の発育を阻止することで感染を予防します。
5. 治療
・重度のフィラリア感染には、治療が難しく、症状の改善だけでなく、感染した動物の生命を守ることが難しい場合があります。
・治療には抗寄生虫薬や抗生物質が使用され、場合によっては手術が必要となることもあります。
6. 地域差
・フィラリア感染は特に温暖で湿潤な地域で発生しやすい傾向があります。地域差があるため、動物の生活環境に応じて予防策を検討する必要があります。
7. 診断
・フィラリア感染は、血液検査や抗原検査、マイクロフィラリアの検出などによって診断されます。
フィラリアの検査は、犬の健康管理の一環として行われるべきです。定期的な検査を通じて、犬の健康状態をモニタリングし、早期に対応できるようにしましょう。獣医師の指導を仰ぎつつ、ペットに対する予防策を適切に行うことが重要です。
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